百鬼夜行抄 (1)百鬼夜行抄 (1)
(2000/12)
今 市子

商品詳細を見る



夏目友人帳 (1) (花とゆめCOMICS (2842))夏目友人帳 (1) (花とゆめCOMICS (2842))
(2005/10/05)
緑川 ゆき

商品詳細を見る



やっぱ、引き合いに出されるこの2作品。
ネットでも比較している人はいました。
ぱっと見としてよく似ているし、女性が書いてるし。
まず、妖怪が出てくるし、その扱い方。多少の差異はあるにしろ、
日常空間で、見える人には見えるし、見えない人には見えないといった部分もよく似ている。
まあ、どちらがぱくりとか、そんなのはどーでもいい話なのですが、
やはり、出来不出来の評価って言うのは、ありますよね。

正直どちらも中途半端にしか読んでないので、これから読むのですが、
百鬼夜行抄を先に見ていたせいか、『百鬼夜行抄』のほうが好きですね。
画力も、エピソードの完成度からも、『百鬼夜行抄』のほうが圧倒的に分がある気がします。
ただ、俺自身が少女漫画についていけていないだけ、かもしれないし、
『夏目友人帳』もこれから見ていけば、もっとよくなるかもしれません。
そういう印象は受けます。
ですが、現時点では『百鬼夜行抄』がいいですね。

まあ、どちらにしても「妖怪」というものを扱っているのは、好ましいこと。
あるのかないのか分からない「妖怪ブーム」ですが、
『夏目』のアニメ化とか、京極堂シリーズのアニメ化とかで、本当の「妖怪ブーム」が来るのも割と近いことなのかもしれませんし、もうそのブームは来ているのかもしれません。
楽しい時代になることを期待したいです。


>>ブログランキング
マンガ水木しげる伝―完全版 (中) (講談社漫画文庫)マンガ水木しげる伝―完全版 (中) (講談社漫画文庫)
(2004/12)
水木 しげる

商品詳細を見る


「ぼくの一生はゲゲゲの楽園だ」改題
完全版
マンガ水木しげる伝(中)戦中編

水木しげる

水木さんの自伝的マンガ
全3巻だけど、真ん中の戦争体験のところだけ
ここだけは、まず読まないと!と思って、変則的ながら。
水木さんは、前線のラバウルという地に送られて、非常に「死」に近いところに行っていたようです。
その中で、数多くの戦友の死に出会い、自身はマラリアの高熱にうなされ、爆撃で左腕を失うという事態となり、最後まで壮絶なる体験をされていたようです。
一時は、自分以外の部隊員が全滅したところを命からがら(水木さんは”百難”くらいの壮絶なピンチを潜り抜けたと言っていた)戻ってきたという。

でも、この人が生命力あるなと思えるのが、現地の人(土人)の集落へ行き、
そこで食料を分け与えてもらいながら、最終的に仲良くなっているというところ。
もう、普通じゃない。
怒られてもぶたれても通い続けたというから、普通じゃない。
さらに、水木さんは寝るのが好きなので、爆撃のさなかでも眠っていたというのも変。
そして、40度を超える高熱の中でも、食欲は衰えずよく食べたとかいうのも可笑しい。
なるほど、死なないはずだと思う。


水木さんは戦争で左手を失われた。
ぼくはてっきり爆撃で腕が吹き飛んだのかと思っていたが、
治療で包帯をきつく巻きすぎたため、腕に血が通わなくなったせいだったらしい。
まあ、凄い出血できつくせざるを得ず、爆撃が原因だというのは間違いない。
でも、あの戦地の中で、腕を切断するってのは、考えられないことだ。
腕の切断面が治りかけてきた頃、切れた腕から、赤ちゃんの匂いがしたらしい。
これが生命が生まれる匂いかと水木先生は思ったそうです。(新しい皮膚の匂いですかね?)

水木さんは、こんなところで本当によく生きていたなと思える。
戦って死ぬだけではなく、飢えとか病気とかで死ぬことも多かったそうだ。
さらに現地のワニなどが川にいるため、それに食われることも少なくなかったとか。
実際のワニは相当速いとか。上半身とか一気に食われるのよ。怖い。



やっぱり、戦争を体験人というのは、こういうのを語りたがらない。
ショックが大きすぎるとか、戦友に対する後ろめたさがあるんだとか。
それでも、こうして何年かかかったけど、描いてくれたということは非常にありがたいことだと思う。

マンガでもあり、水木さんの絵なので、結構コミカルな感じで読めてしまうのだけど、
描いてあることは、かなり凄い体験でもあるので、非常に興味深い。
自伝的ながら、実際の史実とも織り交ぜているので、水木さんのくぐる運命をもっと広い視野で見ることが出来て、面白い。
他の人とは違った要素としての、現地の人とのつながりという部分も、相当可笑しな話で面白い。
日本に帰還する際、現地の人にここに残ってくれと懇願されたとかで、
自身も残ろうかと思ったそうだが、親に会ってやろうとか、
日本に帰りたいという思いが勝ってしまって帰ったらしい。(その数年後に再訪問できたそうだが)




ああ玉砕―水木しげる戦記選集 (戦争と平和を考えるコミック)ああ玉砕―水木しげる戦記選集 (戦争と平和を考えるコミック)
(2007/08)
水木 しげる

商品詳細を見る



ああ玉砕
水木しげる戦記選集


おそらく水木さんの貸本時代の作品などをまとめた奴だと思います。

この作品で使っていたページと同じものを上で書いた『水木しげる伝』で、結構流用して書いてあった。
そこで気付いたが、水木さんは現地の人を「土人」と読んでいる。
『水木しげる伝』では、「現地人」としているから、用語として書き換えられているのだ。
水木さん的には、尊敬の意味を込めて「土人(土の人)」といっているから、差別的な要素はないが、
編集のほうで、いろいろ誤解を避ける意味で変えたのだろう。
こちらでは、全く変えていないので、『ああ玉砕』は水木さんの作品をそのままの形で残すことを、
あるいはそのままの形で、読者に送ることを最大の目的としていると思う。
そういう意味では、とてもいい本であったように思える。


>>ブログランキング
魍魎の匣 (2) (怪COMIC)魍魎の匣 (2) (怪COMIC)
(2008/08/18)
志水 アキ

商品詳細を見る


魍魎の匣
作画:志水アキ
原作:京極夏彦


京極夏彦の小説の中でも代表作かつ最高傑作の漫画化、第2巻

京極堂登場から榎木津礼二郎まで

ただ絵にしているだけでなく、構図やらも魅せているので、原作ファン的にも面白い。
京極堂の眉間のしわと眼の鋭さが、やりすぎの感もあるが、
人を寄せ付けない部分の分かりやすさはあるので、いいのかな。

榎木津が今回、初登場になると思うけど、
顔がベタ塗りしてない真っ白顔。
確かに普通の人より白っぽいとか、薄いとか、らしいけど。
これじゃあ真っ白じゃんw
まあ寧ろ神々しいかw
ちょっとヒョロイ気がして、自分のイメージは違うけど、
こういうのでも大してどうでもいいかな。

「口外法度なんだよ」っていいながら、
京極堂に平気でばらしてるのが、榎木津らしい。
まあ、探偵といいながら実際事件をかき回している(粉砕?)だけだからな、この人。

でもこれで、関口の鬱っぽさと逆サイドの躁病的、榎木津でバランスが取れるな。


>>ブログランキング
ミスミソウ 2 (2) (ぶんか社コミックス ホラーMシリーズ)ミスミソウ 2 (2) (ぶんか社コミックス ホラーMシリーズ)
(2008/08/18)
押切 蓮介

商品詳細を見る


ミスミソウ
三角草

押切蓮介は、こんなのもかけるぜ漫画の2巻目
内容は、かなりヤバめの復讐劇
メンチサイド(精神崩壊)ホラー
1→2で、間を空けずに読むことを薦める。

こうなっちゃうと行き着く先は、暗いですね。
ほんとどうなるのか。

>>ブログランキング
わたしは真悟 (Volume1) (小学館文庫)わたしは真悟 (Volume1) (小学館文庫)
(2000/02)
楳図 かずお

商品詳細を見る


わたしは真悟
楳図かずお

産業用機械が意識を得て、意識を持たせてくれた親である少年(悟)と少女(真鈴)を追う。
悟と真鈴は互いに惹かれあうが、真鈴がイギリスに引っ越すことで別れ別れになってしまう。
意識を得た産業用機械(真悟)は、悟の真鈴への想いを知り、真鈴の元へと向かう。

荒唐無稽な話ではあるけど、
機械に対する人間の感情(これは古典的だが)や、
日本人と機械製品の海外との関係など扱っていたりしている。

産業用機械(真悟)の意識が人間を越え、神の領域まで進化していき、
その後は悟を追いかけるうちに思考レベルも低下し、単なる機械へとなっていく描写は、
「アルジャーノンに花束を」を思い出す。
コンピュータの知能といった問題もひとつ噛んでいるかもしれない作品

ストーリーは、荒唐無稽なのか難解なのか、判断が難しい。
少なくとも、ストレートに理解することは無理。

そもそもモノローグが産業用機械(真悟)なのか?よくわからない
真悟だとしたら思考レベルが下がっていても、
人間レベルのモノローグがあるので、おかしい。
これをどう捉えるかというので深読みが出来るかも。
解釈がいくらでも出来そうなので、結局想像力の問題になってしまう気がするが。

ウィキペディアでは、

恐怖漫画家が書いた、この形而上学的作品に影響を受けた文化人は多い。たとえば、岡崎京子は自らの作品中で、真悟誕生の瞬間である「333のテッペンカラトビウツレ」のシーンに言及していたりする。


らしく、そうした言及ナリ、話の意図ナリをもっと理解する必要があるのかもしれない。
333というのは東京タワーのことなんだけど、こっから飛び移ったら真悟が目覚める(ブレイクスルー)
ということをどう理解すればいいのか、現時点ではさっぱりです。

まあ、わかんなくても楽しめる方法はいくらでもあると思います。
といっても楳図先生のストーリーテーリングは独特なので、見ていて違和感だらけです。
謎も多いですし、最初のシーンがなんでもないシーンにしか見えなくて、
どんな事件になるのか、わからないままただ読み進めていくしかないのはつらいかも。
まあ、これは週刊誌の弊害なんでしょうけどね。
ただ、俺自身がモチベーションを高めていけたのは、やっぱり楳図先生の独特な作風からだったからで、
この人にしか描けない漫画だったからだとも思います。

ラストは凄く物悲しいというか、儚いというか。
余韻が残る漫画です。

>>ブログランキング