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2008.06.09
地には平和を 小松左京
![]() | 地には平和を (新風舎文庫) (2003/10) 小松 左京 商品詳細を見る |
小松左京の短編集
SF読むのに避けては通れない大御所
やっぱり面白いから困る(笑)
『地には平和を』
あのとき、戦争が続いていたらの架空世界
それはパラレルワールドの一つでした。
『終わりなき負債』
祖父の代から課せられた負債のせいで、労苦を重ねる日々の主人公。
かつて、祖父が購入したものが原因での負債らしい。
祖父が購入したものは何なのか?それが気になる短編。
「ネタバレ実は祖父の息子、つまり自分の親父であるが、彼が行方不明になった際、
祖父が息子に似せて作ったロボット、それが主人公であった。
それと知りつつ、労働を続けさせる輩は、それを主人公に知らせたくない。
その秘密を解明するため、ある少女とともに秘密に迫るが、少女は殺されてしまう。
さなかに秘密を知った主人公は輩とともに列車のやってくる線路に飛び込む。」
『易仙逃里記』
タイムマシン(時間機)もの。中国の物語風な前編と、時間機的解釈編の後編で構成。
この時代に出てきた人物が実は・・・みたいな内容。
SFとして読むと、時間機系ということは分かります。(タイトル読んだ時点で)
といっても後半の理解が中々できなく、テキトーな理解にしかなりませんでした。
後半はトビーノウ族って、宇宙人モノが出てきます。この前読んだ『擬態』に近いニュアンスで、
人間に擬態できる生物が人間社会に存在しているらしい。
でも、メインとしては時間モノの話でした。
『釈迦の掌』
これも時間モノ。同じ時間に同じ人間が同時に存在するには?
・・・瞬間移動を素早く交互にすればイイ!!って、実行した男、愛人と妻と両方とするw
「ネタバレ愛人が過去から来た昔の妻だったというオチ。」
『蟻の園』
世にも奇妙な物語に出てきそうだ。
子どもが蟻を弄ぶように、超次元的な「モノ」が弄ぶ。
団地、警官、子どもが消えた。大きさが同じで階数が多い?
13号館なんて存在しない。僕らはどこにいるのだ。奇妙な物語。
『コップ一杯の戦争』
5ページ!短w
原爆戦争が始まって米ソ消滅し、コップ一杯飲み干すまでに戦争終結。
かなり、ブラックでシュールな感じ。
『失格者』
正直、あまり理解できませんでした。
『時の顔』
これは時空系のお話。
時空系のお話が3度の飯よりも好きな私にとっては究極で至高の料理にも匹敵するものでした(言いすぎですが、それだけ好きなのです)。
自分という存在が、永久にループし続けるというなんとも不思議な、そして一見矛盾するような鶏の卵論理に匹敵する違和感があるが、そこがとても心地いい。そんなもの。
たしか、手塚治虫の火の鳥で尼さんを殺した女が実は殺された尼さんであったというお話に構造としては似ている。これ以外にもあるかもしれないが、自分としてはここら辺の知識が限度である。
親友が謎の奇病に苦しんでいる。
(親友は赤ん坊の頃今の育ての父より過去から連れてこられた子どもだった。)
その原因は過去にあるというが・・・
主人公は過去の原因を探るうちに、真実を知る。
この本の中では一番好きだ。
『ホクサイの世界』
ショートショート。
過去だと思っていたが、核戦争後の未来だったというお話。
富士山は美しい。国敗れて山河アリとは言うが・・・
『お茶漬けの味』
ホラー的な要素を含んだSFであると思う。
伊藤潤二のマンガを読んでいる感じだった。
120年の歳月(冷凍睡眠しているから10年くらい)をかけて、恒星間飛行をして地球に帰還せんとしている宇宙船。
太陽系に帰ってきたと思ったのに、なぜか人間と交信できない。
土星にも木星にも、火星にすら人がいない。そして、地球にさえも・・・
乗組員に孤独感、そして地球はどうなってしまったのか。
不安や恐怖を感じ始めるストーリー。
実は2部作。
1部は、地球へ付くまで
2部は地球へ降り立ち、その真実を知る部分。
「ネタバレ:完全に機械化され考えることのなくなった人間だが、現状に疑問を抱いた人間の方が反乱。
人間が機械に完全にそっぽを向かれるという世界でした。」
『紙か髪か』
世の中から一切の紙がなくなったら?という話。
人類が如何に紙に依存しているか、ということを上手く、面白く書いた一品。
以上
かなり良作であると思った。
小松左京の初期の作品というが、さすがですね。
巻末に色んな人の当時の評価が載ってて、そういう面でも面白い一冊であった。
おれのオススメは『時の顔』、『お茶漬けの味』、『終わりなき負債』です。
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