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2008.09.03
水木しげる伝(中) & ああ玉砕 【水木しげる】【マンガ】
![]() | マンガ水木しげる伝―完全版 (中) (講談社漫画文庫) (2004/12) 水木 しげる 商品詳細を見る |
「ぼくの一生はゲゲゲの楽園だ」改題
完全版
マンガ水木しげる伝(中)戦中編
水木しげる
水木さんの自伝的マンガ
全3巻だけど、真ん中の戦争体験のところだけ
ここだけは、まず読まないと!と思って、変則的ながら。
水木さんは、前線のラバウルという地に送られて、非常に「死」に近いところに行っていたようです。
その中で、数多くの戦友の死に出会い、自身はマラリアの高熱にうなされ、爆撃で左腕を失うという事態となり、最後まで壮絶なる体験をされていたようです。
一時は、自分以外の部隊員が全滅したところを命からがら(水木さんは”百難”くらいの壮絶なピンチを潜り抜けたと言っていた)戻ってきたという。
でも、この人が生命力あるなと思えるのが、現地の人(土人)の集落へ行き、
そこで食料を分け与えてもらいながら、最終的に仲良くなっているというところ。
もう、普通じゃない。
怒られてもぶたれても通い続けたというから、普通じゃない。
さらに、水木さんは寝るのが好きなので、爆撃のさなかでも眠っていたというのも変。
そして、40度を超える高熱の中でも、食欲は衰えずよく食べたとかいうのも可笑しい。
なるほど、死なないはずだと思う。
水木さんは戦争で左手を失われた。
ぼくはてっきり爆撃で腕が吹き飛んだのかと思っていたが、
治療で包帯をきつく巻きすぎたため、腕に血が通わなくなったせいだったらしい。
まあ、凄い出血できつくせざるを得ず、爆撃が原因だというのは間違いない。
でも、あの戦地の中で、腕を切断するってのは、考えられないことだ。
腕の切断面が治りかけてきた頃、切れた腕から、赤ちゃんの匂いがしたらしい。
これが生命が生まれる匂いかと水木先生は思ったそうです。(新しい皮膚の匂いですかね?)
水木さんは、こんなところで本当によく生きていたなと思える。
戦って死ぬだけではなく、飢えとか病気とかで死ぬことも多かったそうだ。
さらに現地のワニなどが川にいるため、それに食われることも少なくなかったとか。
実際のワニは相当速いとか。上半身とか一気に食われるのよ。怖い。
やっぱり、戦争を体験人というのは、こういうのを語りたがらない。
ショックが大きすぎるとか、戦友に対する後ろめたさがあるんだとか。
それでも、こうして何年かかかったけど、描いてくれたということは非常にありがたいことだと思う。
マンガでもあり、水木さんの絵なので、結構コミカルな感じで読めてしまうのだけど、
描いてあることは、かなり凄い体験でもあるので、非常に興味深い。
自伝的ながら、実際の史実とも織り交ぜているので、水木さんのくぐる運命をもっと広い視野で見ることが出来て、面白い。
他の人とは違った要素としての、現地の人とのつながりという部分も、相当可笑しな話で面白い。
日本に帰還する際、現地の人にここに残ってくれと懇願されたとかで、
自身も残ろうかと思ったそうだが、親に会ってやろうとか、
日本に帰りたいという思いが勝ってしまって帰ったらしい。(その数年後に再訪問できたそうだが)
![]() | ああ玉砕―水木しげる戦記選集 (戦争と平和を考えるコミック) (2007/08) 水木 しげる 商品詳細を見る |
ああ玉砕
水木しげる戦記選集
おそらく水木さんの貸本時代の作品などをまとめた奴だと思います。
この作品で使っていたページと同じものを上で書いた『水木しげる伝』で、結構流用して書いてあった。
そこで気付いたが、水木さんは現地の人を「土人」と読んでいる。
『水木しげる伝』では、「現地人」としているから、用語として書き換えられているのだ。
水木さん的には、尊敬の意味を込めて「土人(土の人)」といっているから、差別的な要素はないが、
編集のほうで、いろいろ誤解を避ける意味で変えたのだろう。
こちらでは、全く変えていないので、『ああ玉砕』は水木さんの作品をそのままの形で残すことを、
あるいはそのままの形で、読者に送ることを最大の目的としていると思う。
そういう意味では、とてもいい本であったように思える。
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