| Home |
2008.07.06
空の戦争史
![]() | 空の戦争史 (講談社現代新書 1945) (2008/06/17) 田中 利幸 商品詳細を見る |
なぜか興味を惹かれて買ってしまいました。この本に私が期待したのは戦術的な意味においての空戦だったり、航空機そのものの技術的な発展だったのですが、読んでみると戦略爆撃をメインに扱った本でした。それはそれで面白くはありましたが、物足りない気もしました。
内容としては、戦争史と題するとおり、空からの攻撃の歴史でした。つまり戦略爆撃の歴史ですね。気球で爆弾を投下するところから、第二次大戦の原爆投下までを順々に述べられていて、正直、教科書読んでるみたいでしたね。戦略爆撃はいつから誕生し、戦略爆撃に常に付きまとう無差別性、その正当化という考え方、空爆を行ってきた倫理的な背景などを交えつつ、詳細なデータで彩られた爆撃の歴史と言った感じの本でした。
色々と戦略爆撃に対する問題はありますが、この本で一番語られてたのは、兵士と市民を分けない無差別爆撃と、その目的の浅はかさでしょうか。実際、空軍が組織された当時から空爆(空襲)による費用対効果は少なく、それを正当化するために(つまり被害を多大に与えるという結果を得るために)空爆を続けるという悪循環的なものだったそうです。目的として、敵の生産能力を低下させると言うのは達成できず、いつのまにか敵の戦意をくじくという目に見えないような精神論的な動機付けで空爆が行われてきた現実があったそうです。今現在もそのようなものとなんら代わりが無いように思えて、むなしい思いがしますね。
空爆はまさに現代の戦争そのものと言っても過言ではなく、そういう視点からのこの本は大変面白い本田と思います。そして空爆から見える戦争そのものの滑稽さというか、ばかばかしさみたいなものも感じ取ることが出来ます。著者自体がそもそもそういう思いで書いているので余計そう思えたのかもしれませんが。これまでの歴史を考えることはこれからの未来を築く上でとても重要です。そういう意味でもいい本だったのではないかと思います。
| Home |
















