獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)
(1971/10)
横溝 正史

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 横溝正史の作品の中でも非常に評価が高く、映像化もかなりの数されている不朽の傑作。これを読まないでは死ねないですね。

 舞台はその名のとおり「獄門島」。閉鎖された社会特有の怪しい雰囲気を醸し出す島、そこにあの有名な金田一耕介が降り立つ。彼は戦死した友人が託した遺言書をこの島に持ってきたのだ。そこで、3人の姉妹が殺されてしまうから、それを防いでくれと。しかし、殺人は起こってしまう。見立て殺人ミステリで俳句という日本っぽい要素を入れ込んでいる。あまり、比較するものがないので安易な発想かもしれないが、横溝正史の小説は、日本!って感じる。しかも日本の暗部、ジメッとした部分を描く。一種のホラー要素って、ミステリにはあると思う(持論!)けど、横溝さんはその比重は高いほうの小説家だね。(個人的には江戸川乱歩のほうが好きだけど)

 話は変わるが、探偵には防御率と言うのがあるらしい。どれだけ未然に犯罪=殺人を防いだかの数値である。高ければいいというもので、恐らくミステリ読みの一種の遊びであろう。その数値でかなり低い数値を持っているのが金田一耕介であるらしい。ま、これには色々解釈があるらしいけど。今回に限っては、防御と言う意味では全く役に立っていない。3人とも殺されてしまったわけだから。しかも、未然に注意された上でだ。だから、なんだ、ではあるけど。最後に解決したところで、負けじゃねえの?って思うのさ。

 3姉妹はいくら酷いからって、殺してほしくはないな。動機として、家を継がせたくないとはいえ、殺させちゃうのは、理解に苦しむ。閉鎖社会+狂人であればこその、ってことで納得するしかない。現代的には受け入れがたい(というより許しがたい)動機である。

 祖父の怨念。人の怨念。 ホラーとはつまるところ、人間への恐怖なのだ、と思う。(これはミステリですけどね。)

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